色とりどりのスーツをまとった戦士たちが悪に立ち向かう「スーパー戦隊シリーズ」。
1975年に秘密戦隊ゴレンジャーが放送開始されて50年経った今もなお、その人気は全く衰
えることはありません。
そんな50年もの歴史の中で、色とりどりの戦士が登場してきたスーパー戦隊シリーズです
が、その中でも戦士の数が非常に少ないレアなカラーがあることをご存知でしょうか?
その色はオレンジ。 なんと50年の歴史の中で実に5人しかいないという非常に希少な戦
隊カラーとなっています。
色がレアなだけでなく、変身する人物も実に個性派ぞろいとなっています。
今回は、歴代のスーパー戦隊シリーズ(2025年5月時点まで)に登場した、オレンジの戦
士を紹介したいと思います。
今回はあくまでも日本のスーパー戦隊シリーズが対象なので、海外のパワーレンジャーシ
リーズは対象外なのであしからず。
バトルコサック
登場作品:バトルフィーバーJ
変身者:白石謙作(初代)、神誠(2代目)
CV:伊藤武史(当時)(初代)、伴直弥(当時)(2代目)
モチーフ:ロシア帽
変身アイテム:なし
必殺技:なし
バトルコサックは、白石謙作(しらいし・けんさく)が変身するバトルフィーバーJのユ
ーラシア代表の戦士。
記念すべき最初のオレンジの戦士だが、媒体によってはイエローとして扱われることもあ
る。
演じるのは伊藤幸雄さん(出演当時は“伊藤武史”名義)で、過去に秘密戦隊ゴレンジャー
にて明日香健二/ミドレンジャーを演じたことがある。
ソ連(当時)で生まれたが程なくして両親が他界。 その後牧師に拾われたがその牧師も
土地をめぐる抗争に巻き込まれ死亡、倉馬鉄山将軍に拾われバトルフィーバーの一員とな
った。
少々けんかっ早く怒りっぽい一面もあるが、波乱万丈な過去を送ったこともあって普段は
気は優しくて力持ち。
バトルフィーバーの戦士は、各国のダンスをモチーフとした戦法を得意とし、バトルコサ
ックは身軽で複雑な跳躍を基調としたコサックダンスで戦う。
共通武器であるコマンドバットは、サイ(釵)に変化する。
第33話にて、エゴスの人質になった少女まゆみをかばい、凶弾に倒れる。(この時謙作は
、血がトラウマになっているまゆみに怖い思いをさせないために強化スーツを着ていなか
った) 享年26歳。
ちなみによく「強化スーツをクリーニングに出していたためやられた」と言われるがこれ
は誤りで、実際は「血の匂いを嫌うまゆみを気遣い返り血を浴びた強化スーツを着用せず
、それを仲間に指摘された際「クリーニングに出した」と嘘をついた」というのが正しい
。
また、放送から約43年後の機界戦隊ゼンカイジャー45話にて、オミクジワルドの能力によ
って運勢が最悪になってしまったゼンカイザーがゼンリョクゼンカイキャノンを使って
、「取り返しのつかない不幸に見舞われたヒーロー」として2代目キレンジャーと初代イ
エローフォーの殉職ヒーローと共に召喚された。
その後は謙作の先輩であった神誠(じん・まこと)が、彼の遺志を継ぎ2代目バトルコサッ
クとなった。
神もまたコサックダンスを駆使して戦うほか、射撃の名手でもある。
熱血漢だった白石とは対照的に寡黙な性格で、単独行動を好む一匹狼気質だったが、徐々
に仲間と打ち解けていった。
演じるのはキカイダーの主人公ジロー役やイナズマンの主人公渡五郎役などでおなじみの
伴大輔さん。(出演当時は“伴直弥”名義)
トッキュウ6号
登場作品:烈車戦隊トッキュウジャー
変身者:虹野明/ザラム
CV:長濱慎
モチーフ:保線作業員
変身アイテム:アプリチェンジャー
必殺技:トルネードビーム
トッキュウ6号は、ザラムこと虹野明(にじの・あきら)が、アプリチェンジャーで変身
するトッキュウジャー6人目の戦士。
バトルコサック以来実に35年ぶりに登場したオレンジの戦隊ヒーロー。 バトルコサック
は媒体によってはイエロー扱いされることもあるため、オレンジ色と明言されたのはトッ
キュウ6号が初めて。
また、レインボーラインのマスコットであるチケットやシャドーラインの闇の皇帝ゼット
が1度だけ変身したことがある。
武器は誘導灯のようなロッド「ユウドウブレイカー」。 だが、しばしば投げ捨てられそ
のまま存在を忘れられるかわいそうな武器である。
初期メンバーと違い乗り換え変身機能は搭載されていない。
ザラムはかつてシャドー怪人で、自分の周りにだけ雨を降らせる能力を持っている重度の
雨男だった。
シャドーライン在籍時代に雨を降らせ人々から闇を生み出していたことへの罪悪感を抱い
ていたが、雨上がりに見た虹の美しさに感動し、「虹の輝きを守って散る」ためシャドー
を裏切ることを決意。
シャドーラインを抜けた後はレインボーラインの保線作業員となったが、元シャドーライ
ンということもあって当初は信用されず烈車への出入りも禁止されていた。
その後ライト/トッキュウ1号に出会い、その類まれなるイマジネーションからトッキュ
ウ6号の変身者に選ばれた。 次の話では彼らから虹野明という新たな名前を与えられ、
メンバーに加入した。(尤も、当の本人は「俺の墓に刻むのにふさわしい」とずれた感想
を述べていたが)
「ここがオレの死に場所か・・・」が口癖で、毎回登場してはこの一言をつぶやくのが約
束。
ハーモニカを常備しており、演奏しながら登場する。(この時の曲は「俺の鎮魂歌(レク
イエム)」というらしい)
普段は不愛想で、ジャックインザボックスシャドーの相手を笑わせる能力も一切通用しな
かった。
その一方で大の動物好きであり、動物たちと触れ合っている時は終始笑顔になる。
捨て猫を自身の家でもあるビルドレッシャー内で飼おうとしたり、ウィッグシャドーの能
力で頭上に孵化したひよこに「市之丞(いちのじょう)」と名付けたりしたことがある。
上記の言動も含めどこがずれているところが多く(しかし本人は至って大真面目である
)、トッキュウジャーの一員になってからもどこかシュールな言動や行動でメンバーを困
惑させている。
また自身がシャドーライン出身であるため、シャドー怪人の能力にも詳しく、シャドーに
乗っ取られた駅でもザラムになることで時間制限を気にせず戦うこともできる。(他メン
バーは闇駅では1分間しか変身できない)
10年後、爆上戦隊ブンブンジャーにもゲスト出演。 変身こそしなかったものの同じオレ
ンジの戦士である玄蕃とも共演を果たした。
ジュウオウバード
登場作品:動物戦隊ジュウオウジャー
変身者:バド
CV:村上幸平
モチーフ:鷲
変身アイテム:ジュウオウチェンジャーファイナル
必殺技:ライザースピンスラッシュ、グライドフェザースラッシュ
鷲のジューマン「バド」が、王者の資格の最後の1つが変化したジュウオウチェンジャー
ファイナルで変身した7人目のジュウオウジャー。
名乗り口上は「天空の王者」。
ジュウオウイーグルと同じく蛇腹剣イーグライザーが武器で、野生解放することで空を飛
べる。
幼い風切大和(のちのジュウオウイーグル)を助け、王者の資格のうちの1つと自身のジ
ューマンパワーを分け与えた「鳥男」の正体。
ジューマンパワーの大半は大和に与えたが、王者の資格と地球の力が合わさることで変身
できる。
だがジューマンパワーはジューマンの寿命そのものであるため、バドが大和に与えた時点
で尽きかけていた。(白髪なのもそのため)
そのため変身し戦うたびに消耗し命を落とす危険があったため、デスガリアンとの最終決
戦には参戦せず大和たちの戦いを見守っていた。
大和に対しては優しい一方、彼と共に戦う4人のジューマンに対しては冷たく、11話で初
めて邂逅した際は「あんな世界のつながりなんて切れてしまえばいい」とさえ言っている
。
そのような考え方を持つようになったのも、彼の過去が関係している。
バドはかつては人間界とジューランドをつなぐリンクキューブの番人であったが、ある日
ジューランドに迷い込んだ人間を救助する。
しかしその人間は上層部によって拘束され、やがて逃亡し生死不明となる。
上層部はそのことを隠ぺいしたためジューマンに不信感を抱き、二度とこのような悲劇が
起こらぬようリンクキューブの王者の資格の1つを盗み姿をくらました。
その盗んだ王者の資格こそ大和にお守りとして渡したものであるが、この事件がきっかけ
2つの世界のつながりは断絶されており、そのせいでジューランドに帰れないジューマン
(ゴリラのジューマンのラリーなど)もいた。
王者の資格を盗んだバドが人間世界を放浪する中人間に襲われ負傷。 ボロボロになって
彷徨っていたが、そんな彼を見つけた風切景幸(大和の父親)が彼を治療し、一命をとり
とめた。
しかし彼を助けたせいで景幸は妻である和歌子の死に目に会うことができず、大和と景幸
の間に確執を生み出してしまった。
大和を助けることに固執するのも、この一件が理由となっている。
演じる村上幸平さんは、「仮面ライダー555(ファイズ)」の草加雅人役や「暴太郎戦隊
ドンブラザーズ」のソノヤ役でおなじみ。
過去に「ウルトラマンメビウス」にて勇魚洋役でゲスト出演したことがあるため、ジュウ
オウジャーに出演したことでいわゆる3大特撮制覇を果たした。
サソリオレンジ
登場作品:宇宙戦隊キュウレンジャー
変身者:スティンガー
CV:岸洋祐
モチーフ:さそり座
変身アイテム:セイザブラスター
必殺技:アンタレスインパクト
宇宙幕府ジャークマターから宇宙を解放するために戦う究極の救世主、キュウレンジャー
の一員スティンガーが変身する戦士。
名前に初めて「オレンジ」が入る戦士且つバトルコサック以来となる初期メンバーである
。
名乗り口上は「ポイズンスター」。
キュースピアを主な武器とし、毒をまとった斬撃を飛ばして気を切り裂く「アンタレスイ
ンパクト」が必殺技。
変身するスティンガーはサソリ座系惑星ニードル出身の宇宙人で、外見は地球人と大きな
違いはないが、サソリのような伸縮自在の毒針が伸びているのが特徴。 変身後も残って
おり武器として使用できる。
不愛想で口が悪いが、人と接するのが苦手なだけで本当は優しい。
自分の問題を1りで解決しようとしているきらいもあり、兄スコルピオの一軒ではそれが
顕著。
ジャークマターに対抗する反乱軍リベリオンの指令ショウ・ロンポーにスカウトされキュ
ウレンジャーになった最初のメンバーで、当初はスパイとしてジャークマターに潜入して
おり、ほかのメンバーとも敵対していた。
故郷である惑星ニードルはジャークマターに寝返った兄スコルピオによって滅ぼされてお
り、ジャークマターに潜入したのも彼の真意を探るためであった。
また、チャンプ/オウシブラックの生みの親アントン博士を殺した敵であり、当初は合流
後も彼とも敵対していた。
だが後に博士を殺した真犯人がスコルピオだと分かってからは2人行動を共にするように
なる。(スティンガーは解毒を試みたが間に合わなかっただけであり、無実)
惑星チキュウで出会った彼を慕いキュウレンジャーに憧れる少年・佐久間小太郎に対して
は優しくも接し、彼が後にコグマスカイブルーへの変身能力を得て行動を共にするように
なってからは、「(弟・次郎にとって)誇れる兄でいろ」と激励を送ったこともある。
小太郎もまた、チャンプと共に別行動をするようになった時に「後悔だけはしないで」と
伝えた。
惑星チキュウにて晴れてキュウレンジャーの一員として他メンバーと合流したが、スコル
ピオの件で自身の甘さのせいでチャンプを喪い(後に記憶を含め完全復活)、自責の念に
駆られ1人暴走することも多くなった。
それでも他メンバーと共に因縁を乗り越え、スコルピオを倒したことで(特にチャンプと
)絆が深まり本当の意味で仲間になった。
スコルピオの一件を片付けた後は憑き物が落ちて素の自分を見せられるようになったのか
、コミカルな一面を見せることも多くなっていく。
ジャークマターとの戦いを終えて2年後には、リベリオンの司令官に就任した。
「スーパー戦隊最強バトル」でも、風切大和/ジュウオウイーグル、キャプテン・マーベ
ラス/ゴーカイレッド、伊賀崎天晴/アカニンジャー、カグラ/トッキュウ5号と共に変
わり者チームの一員として、惑星ネメシスにて開催されるスーパー戦隊最強バトルに参戦
した。
演じる岸洋祐さんは、俳優のほか歌手としても活動している。 キュウレンジャー本編で
も見事な歌声を披露したほか、「仮面ライダーガヴ」では路上ミュージシャン可児/グラ
ニュート・ロジョー役で出演したことも記憶に新しい。
ブンオレンジ
登場作品:爆上戦隊ブンブンジャー
変身者:振騎玄蕃
CV:相馬理
モチーフ:タイヤ、レーシングスーツ
変身アイテム:ブンブンブースター
必殺技:ブンブンアックスドライブ
ブンオレンジは、振騎玄蕃(ぶれき・げんば)がブンブンブースターで変身するブンブン
ジャーのメンバー。
左肩にプロテクターが付いているのが特徴。(変身アイテムが同じブンブラックも同様)
ブンブンチェンジアックスのアックスモードを武器として主に使用し、エネルギーを充て
んした刃で相手を一閃する「ブンブンアックスドライブ」が必殺技。
玄蕃はブンブンジャーの一員であり、状況に応じて必要なものを調達しメンバーを助ける
「調達屋」。
常に飄々とした笑みを絶やさず、口にロリポップをくわえている。
「お困りのようだねえ」のセリフと共にどこからともなく現れ、その時必要なものを調達
してブンブンジャーを助ける神出鬼没な男。
鳴田射士郎/ブンブルーと共にバクアゲ1の時点で範道大也/ブンレッドの仲間で、ブン
ブンブースター自体もすでに所持していたが、当初はあえて変身せずあくまで調達屋とし
て仲間たちをサポートすることに従事していた。
しかしブンブンジャーが自分のサポートなしでどんどん進化していく姿を目の当たりにし
、共にブンブンジャーというハンドルを握り彼らの進化を特等席で見届けることを決意、
晴れてブンブンジャー5人目の戦士ブンオレンジとなった。
その正体は惑星ブレキ出身の宇宙人で、本名はゲンバード・デ・リバリー二世。 銀河通
販王の異名を持つゲンバード一世を父に持ち、彼もまた“宇宙通販の若旦那”と呼ばれてい
る。
故郷の惑星ブレキは宇宙通販で繁栄していたが、そこに目を付けたハシリヤンの再建隊長
ディスレースのテコ入れ侵略を受け支配下に置かれてしまう。
さらに、ゲンバード一世も無実の罪で刑務所に収容されてしまった。
地球人のような姿は世を忍ぶ仮の姿で、本当の姿は白い髪に猫のような三角の耳が生えた
獣人のような姿。 常に飴をなめているのも糖分を摂取することで地球人に擬態できる体
質のため。
さらに、今まで調達していた機械などのパーツは自身が乗ってきた宇宙船由来のものある
。(=調達を続ければ自身の故郷に帰るどころか宇宙にも出れなくなる)
ディスレースはまさに自身の運命を狂わせた元凶であり因縁の相手であるため、彼の姿を
見るや否や普段の冷静さをかなぐり捨て感情任せに突っ込んでいた。
最終的に玄蕃は自分1人の手でディスレースを討つことを決意、個人的な復讐に他メンバ
ーを巻き込むことを防ぐためなんとブンブンジャーを抜けることを決断した。
玄蕃が抜けた後も残ったメンバーからも何度か説得されるも本人はそれに応じず、自分の
握るべきハンドルも見失いただディスレースを討つだけの復讐の鬼と化す。(復活したマ
ッドレックス曰く「自分と同じ、ディスレースに踊らされている哀れなピエロ」)
そんな中範道邸を訪れた際、仲間たちが用意してくれた自分用のチャンピオンジャケット
を見て、玄蕃が帰って来てくれることを仲間たちが信じていることを知り泣き崩れる。
自分が本当にやりたいこと、戻るべき居場所を思い出し、ようやく自分のハンドルを取り
戻した玄蕃は、紆余曲折を経て再びブンブンジャーのもとへと帰ってきた。
その後仲間たちの力を借り、仇敵であるディスレースを撃破、因縁にひとまずピリオドを
打ったのであった。
ディスレースに勝利、そしてハシリヤンの走大将ワルイド・スピンドーを撃破しハシリヤ
ンは壊滅。 しかしまだブレキ星は復興の真っ最中であり、父の無実も晴れていない。
故郷を取り戻し、銀河通販王の座を取り戻す戦いはまだまだ続いていくのだ。
おわりに
以上5人が、現時点で登場した戦隊オレンジの戦士です。
レッドやブルーなどのメジャーなカラーと比べるとかなり少ないですが、だからこそ並び
立った時に存在感がひときわ際立つ気がします。
余談ですが、記念すべき最初のオレンジ戦士であるバトルコサックを除く4人は全員人間
ではない、いわゆる人外であるという共通点があります。
いつか登場するであろう6人目のオレンジ戦士は、地球人なのか否か、実は意外と気にな
っています。